主人公、空条承太郎は札付きの不良です。
彼は、自分の中に眠る「悪魔」の存在に気づき、誰かを傷つけないように自ら進んで牢獄に入りました。
そこに現れたのは、祖父のジョセフと相棒のアヴドゥル。ジョセフいわく、承太郎の中に眠っているのは「スタンド」という特殊な精神エネルギーであるとのこと。
承太郎は、自分の能力発現が、先祖のジョナサンを亡き者としたDIOの覚醒と絡んでいることを知ります。
DIOの覚醒により、母は自身のスタンドに蝕まれ、生命の危機に陥ります。
母を救うためには、原因であるDIOを倒さなければいけません。
承太郎は、祖父のジョセフを筆頭に、頼れる仲間たちと打倒DIOの度に出立します。
ジョジョシリーズの第3部です。
見どころは、今作から取り入れられた新しい概念「スタンド」です。
スタンドとは、精神力が具現化した特殊な力と言えるでしょう。
従来の漫画では、例えば炎を使う超能力者がいたとして、漫画での描写は、キャラクターが手をかざす→対象が燃える、という表現でした。
起承転結でいうと、起と結が描かれているのですが、間がすっぽりと抜けています。スタンドは、この従来の描写に「承」「転」を追加したものと考えてください。
キャラクターが手をかざす→炎を纏ったスタンドが具現化される→スタンドが炎を放つ→対象が燃える、というのがスタンドの流れです。
3部は、スタンド使いとスタンド使いの戦いが展開されます。
個人的なベストバウトは、主人公一行VSダービーの勝負です。
ダービーは直接攻撃を与えるような、パワータイプのスタンド使いではなく、知略を用いることで最大限の力を発揮する特殊なスタンド使いです。ダービーはギャンブルに精通し、あらゆるイカサマを使って主人公一行を一人ずつ無力化していきます。
バレなければイカサマではない、というのは心に残るセリフです。
この戦闘では、激しい殴り合いであったり、必殺技を打ち合ったりはしません。
しかし、独特の緊張感の中でゲームに向き合う双方の表情は鬼気迫るものです。
3部では、力と力のバトル以外にも、こういった頭脳戦が描かれていますので、キャラクターの心理描写がとても面白く書かれています。
私がジョジョ3部で一番好きな名言は、承太郎のセリフです。
「てめーの敗因は・たったひとつだぜ・DIO・たったひとつの単純な答えだ・」
とても読み応えがある作品なので、ぜひぜひ、ご覧になってください。